地鎮祭 (じちんさい) とは
建築で、基礎工事にかかる前に土地の神を祭り、工事の無事を祈る祭事のこと。
地鎮祭の読み方は、 「じちんさい」です。
その土地の神(氏神)を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得る意味と
これからの工事の安全と家の繁栄を祈願するという意味があります。
地鎮祭は、神式と仏式があります。
住宅会社によっては、地鎮祭の段取りをすべてやってくれるところもあります。
自分で手配する場合は、1か月前に神社に連絡するのがいいでしょう。
まずは地鎮祭の日程を決める
吉日としては、「大安」の午前中がいいと言われています。
「友引」「先勝」の午前中、「先負」の午後も選ぶ人は多いです。
しかし、吉日はあまり関係ありません。
出席者の都合のいい日で、天気がいい日に行えるのが一番だと思います。
神社の都合もあるので、候補日は複数あったほうがいいでしょう。
工事のスケジュールと合わせて、契約した住宅メーカー側と話あって決めます。
神社への手配
ご自分で手配される場合ですが
1か月前には神社に連絡をし、日時を決めて、少なくとも1週間前には神社に、建築場所、建主、施工者、設計者の氏名、参加人数など伝えましょう。
神社によって、施主が用意するものが、あるかもしれませんので、神社と住宅会社に確認が必要です。
地鎮祭の準備について
最近では、住宅会社の方で、「地鎮祭セット」というものを用意されています。
施主はほとんど準備物は必要ありません。
自分で準備する場合ですが、施主が用意するものはお供え物がほとんどです。
(お供え物を神饌といいます)
*お供え物
・清酒(一升)・・・のし紙をつけてもらいましょう
・お米(一合)・・・洗米
・塩(一合)・・・敷地を清めるのに必要
・水(一合)
・海の幸・・・魚(一般的に鯛)、昆布、するめ
・山の幸・・・果物(りんごやオレンジなど季節のもの)
・ 野菜(地面の上に出来るもの(トマトやナス)と、地面の下に出来るもの(人参や大根))
*人数分の紙コップ・・・杯の代わりに
*初穂料・・・2~5万円(のし袋に入れて)
もしお供え物を神主に用意して頂いた場合は「御供物料」をお渡ししましょう。
紅白の垂れ幕やテント、椅子などの設営は地域や規模にもより、有ったり無かったりです。
ほとんどは、ハウスメーカーや工務店で用意してくれるものですので確認してみましょう。
もちろんあった方が見栄えはいいですが、肝心なのは気持ちです。
施工者は他にも竹やしめ縄、砂、鎌、鍬、鋤等用意してくれます。
祭壇については、神社で借りられる場合もありますし、
施工者が持っている場合もありますので確認してみましょう。
地鎮祭の費用について
・初穂料(または玉串料)
2~5万円程度。地域や神社によって違うので遠慮なく神主に聞きましょう。
・お車代
遠方からお呼びした場合に5千円程度。
・お供え物
神主に用意してもらった場合に5千円~1万円程度。
ご自身で用意した方が安く済みます。
参列して頂いた棟梁・鳶・関係者への祝儀は必要ありません。
地鎮祭とは、工事の安全と家の繁栄を祈願する為の式であり、
工事関係者の労をねぎらう式ではないからです。
どうしてもお渡ししたいと思われているのなら、
この先に待っている「上棟式」でお渡しするのが一般的です。
また、地鎮祭の後に直会(なおらい)=関係者との乾杯の席を行う場合は
別途費用が加算されることもあります。
現場の設営について
これも、住宅会社と神社が設営してくれます。
住宅会社は、注連縄や青竹の準備、雨が降った場合のテント、神主さんの送り迎、等々、
通常はサービスでやってくれます。
また、四角形に張った縄に付けるシデと呼ばれる、稲妻型の白い紙は、
当日、神社が用意してくれます。
それを、1辺に4個ずつ付けます。
(通常、住宅会社のスタッフの方が付けてくれます)
地鎮祭の服装について
個人宅の地鎮祭では、普段着で大丈夫です。
参加する職人さんも作業着の場合もあります。
営業マンはスーツですが、
施主・ご家族は、普段着で十分です。
地鎮祭の流れ
手水(ちょうず)
参加者が会場に入る前に手を清めます。
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開式の辞
地鎮祭の開始を告げます。
↓
修祓の儀(しゅばつのぎ)
神主が大麻(おおぬさ)を使い、参列者とお供え物を払い清めます。
↓
降神の儀(こうしんのぎ)
神主が声を発して、祭壇にその土地の神様をお迎えします。
↓
献饌(けんせん)
お酒と水が入った容器の蓋を開けて、神様にお供え物を捧げます。
↓
祝詞奏上(のりとそうじょう)
神様に奉告、工事の安全・家の繁栄の祈願をします。
↓
清祓い(きよはらい)
四方祓い、切麻散米(きりぬささんまい)とも。
四隅と中央に切麻をまき土地を清めます。
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地鎮の儀(じちんのぎ)
刈初めの儀(設計者が鎌で忌み砂の草を刈る)、穿初めの儀(施主が鍬で砂を起こす)、
土均し(施工者が鋤で砂を均す)、鎮物埋納の儀(鎮め物を納める)
地鎮の儀では、設計者・施主・施工者それぞれに担当がかわる場合もあります。
それぞれ掛け声とともに動作を3回に分けて行われます。
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玉串奉奠(たまぐしほうてん)
玉串(榊に紙垂を付けたもの)を神前に供えます。
↓
撤饌(てっせん)
お酒と水の器の蓋をして、神様へのお供え物をお下げします。
↓
昇神の儀(しょうしんのぎ)
神主が声を発して、神様を元の御座所(おましどころ)に送ります。
↓
閉式の辞(へいしきのじ)
地鎮祭の終了を告げます。
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神酒拝戴(しんしゅはいたい)
神様に捧げたお酒を全員で戴き、儀式は終了となります。
↓
直会(なおらい)
施主が用意した、お供え物の御下がりを戴きます。
別途お弁当や飲み物を用意して宴会をすることもあります。
本来ならば、その土地で直会をするものですが、
時代も変わり最近ではお店を借りて宴会の形を取る人もいらっしゃいます。
また、直会を地鎮祭とは別物と考えてしないという人もいらっしゃいます。
そして必ずしなければいけないというものでもありません。
乾杯のみという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
昔とは変わり、儀式の行い方はさまざまです。
家を建てるのと同じように、地鎮祭の行い方もその人の個性を感じさせられそうです。
地鎮祭が終わるといよいよ着工となります。
地鎮祭は家が完成するまでのスタートの段階に近いといえるでしょう。
リカコの豆知識
地鎮祭の儀式には決まりごとがたくさんありますが、
住宅会社の人や、神主がその都度教えてくれますので、何も心配する必要はありません。
マイホームの建築前にしっかりと神様に挨拶をしておきたいという方は、地鎮祭を検討してみてはいかがでしょうか。